やべー泣きそうだ。泣きかけだ。半泣きだ。ううう、目が熱い。私はうつむいて歯を食いしばってピンクの変な揺れる熊の下の地面をじっと見つめる。目を瞑ると涙がこぼれそうだ。息もできない。体の一部分でも不用意に動かすと堤防が決壊しそうだ。心臓の鼓動ですら危うい。やばい。
(本文より)
帯に書かれた上記の文章と三島由紀夫賞受賞ということで買ってみた。
なんというか、読み始めてすぐに圧倒された。
普段読みなれた小説とは違う。それでいてどんどん読み進めてしまう。
三島由紀夫賞ってのはこういうのか、と思いながら読んだ。
確かにこの作品が直木賞を取ったらびっくりする。
だからと言って貶してるわけじゃない。
この小説は普段僕が読みなれたものとは違う。
でも面白い。よい買い物をしたと思う。
ISBN:4101186316 文庫 舞城 王太郎 新潮社 2005/04 ¥580
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