ちょっと前に読み終えたので少しだけ感想を。
『重力ピエロ』は伊坂作品の中でも特に人気・評価が高く、伊坂ファンとしては読まないわけにはいかない、と思っていたわけで。
さて、今回読んでみた感想は、確かに面白い。たとえば、この作品が初めて読む伊坂作品であったとして、読後、「この本を読むのに費やした時間は有意義なものだった。この作家に出会えたことは非常に幸運だった。これからもこの作家の作品を追いかけてみよう」と思うには十分な面白さだ。
しかし、これが伊坂作品の中で(僕が今まで読んだ伊坂作品の中で)1番面白い作品かと問われたならば、僕は少し迷って否と答えると思う。
あくまで個人的な好みの問題ではあるが僕は『アヒルと鴨のコインロッカー』のほうが好きだ。
ではなぜこの作品が伊坂ファンの中で評価が高いのか。それは『オーデュボンの祈り』、『ラッシュライフ』といったような作品と比べ、そのミステリー性が低いからという理由が考えられる。
『オーデュボンの祈り』で伊坂幸太郎は気鋭のミステリィ作家として衝撃的デビューを果たし、また『ラッシュライフ』でもそのミステリィ作家としての才能を見せつけている。
しかし、伊坂幸太郎という作家の良さは決してそこだけではない。
独自のセンスから生まれる軽快でユーモア溢れる小気味良い会話。
そういう点もまた彼の大きな魅力の1つだ。
そしてこの『重力ピエロ』には後者の要素がふんだんに盛り込まれている。
ミステリィとしてみれば特別驚くほどのものはない。それでもここまで面白い作品が書ける。
そういう伊坂のミステリィ作家としてではない一面を突出させた点がこの『重力ピエロ』の高い評価に繋がっているのではないだろうか。
まあ何はともあれ面白いので読んでみてください。
ISBN:4104596019 単行本 伊坂 幸太郎 新潮社 2003/04 ¥1,575
『重力ピエロ』は伊坂作品の中でも特に人気・評価が高く、伊坂ファンとしては読まないわけにはいかない、と思っていたわけで。
さて、今回読んでみた感想は、確かに面白い。たとえば、この作品が初めて読む伊坂作品であったとして、読後、「この本を読むのに費やした時間は有意義なものだった。この作家に出会えたことは非常に幸運だった。これからもこの作家の作品を追いかけてみよう」と思うには十分な面白さだ。
しかし、これが伊坂作品の中で(僕が今まで読んだ伊坂作品の中で)1番面白い作品かと問われたならば、僕は少し迷って否と答えると思う。
あくまで個人的な好みの問題ではあるが僕は『アヒルと鴨のコインロッカー』のほうが好きだ。
ではなぜこの作品が伊坂ファンの中で評価が高いのか。それは『オーデュボンの祈り』、『ラッシュライフ』といったような作品と比べ、そのミステリー性が低いからという理由が考えられる。
『オーデュボンの祈り』で伊坂幸太郎は気鋭のミステリィ作家として衝撃的デビューを果たし、また『ラッシュライフ』でもそのミステリィ作家としての才能を見せつけている。
しかし、伊坂幸太郎という作家の良さは決してそこだけではない。
独自のセンスから生まれる軽快でユーモア溢れる小気味良い会話。
そういう点もまた彼の大きな魅力の1つだ。
そしてこの『重力ピエロ』には後者の要素がふんだんに盛り込まれている。
ミステリィとしてみれば特別驚くほどのものはない。それでもここまで面白い作品が書ける。
そういう伊坂のミステリィ作家としてではない一面を突出させた点がこの『重力ピエロ』の高い評価に繋がっているのではないだろうか。
まあ何はともあれ面白いので読んでみてください。
ISBN:4104596019 単行本 伊坂 幸太郎 新潮社 2003/04 ¥1,575
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