友人の友人が書いたということで友人から借りて読んだ一冊。
(もしかしたら友人の友人の友人かも)

ライトノベルってかなり久々に読んだ気がする。

内容はこんな感じ。

あらゆる物質の持つ「情報」を制御し、物質の強度変化すら可能にする脅威の能力、『情報学』。その唯一の教育機関である「パスカル」に在籍する朝倉渚は、ある日学校内で起こった殺人事件に巻き込まれた。死体の第一発見者になった渚は事件の犯人を追うが、そこで捜査線上に浮上してきた人物とは?!


 というわけでラノベミステリィ。でも一番の見所は著者自身があとがきで書いているように森博嗣の影響を受けまくっているということ。まあいうなれば森博嗣の劣化コピィなのだが、それで終わってしまうのではちょっとあれなので。
 ラノベミステリィという感じだがラノベとしてもミステリィとしても中途半端。ラノベの定義なんて人それぞれだが、僕の定義というか条件は読み易さとキャラクタ小説であるということ。まず読み易さという点では、森博嗣っぽい文章が多分慣れていない人、普段ラノベを中心に読む人にとっては読みづらい。またキャラクタという点では森ミステリィと比べて圧倒的に劣る。(まあ相対的な評価ではなく絶対的にみてもキャラクタに魅力が足りない。)一方でミステリィとしては『情報場』というSF設定が大前提にあるためどうにも反則感が否めない。まあそのSF設定を受け入れたとしても正直トリックは稚拙だ。
 というわけでなんとも中途半端な感じだった。最初に森博嗣の劣化コピィと言ったが、文章の書き方とか森博嗣的なジョークとかはそれっぽい。ただキャラクタに魅力がないのと、いまいち視点に鋭さが足りない。別に著者は森博嗣のコピィを目指して書いているわけではないのでそういうケチのつけ方は間違ってる気もするけど。
 多分単純にこの作品を楽しめたかと聞かれたら答えはNOだ。が、森ファンの視点で比較しながら読むぶんには十分楽しめた。むしろ多くの森博嗣ファンの意見を聞いてみたいところ。

とまあ以上のことはあくまでいち読者、いち森博嗣ファンとしての意見。
友人の友人が書いたとなれば単純にすげぇ!と思う。実際森博嗣っぽい文章はある程度書けてるし。ただ最近僕がライトノベルっぽいのを読めなくなってきた気がする。もう年か・・・。


ISBN:4840230617 文庫 佐竹 彬 メディアワークス 2005/06 ¥620

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